成長するマーケティング向けデータ市場

Kris
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広告やマーケティングでは、メッセージを適切な人々に理解しやすい方法で届けることが重要です。多くの企業や広告から際立ち、ユニークでありたいものです。そのためには、ターゲットとなる顧客が誰なのか、さまざまな顧客情報を得てターゲットとなる人々を知る必要があります。

消費者が誰で、何を買い、その名前と所在地を知ることで、現在の購買行動のイメージが描けるのです。また、データは将来のパターンを予測するのに役立ち、より最適なマーケティング戦略を立てることができます。

以下は、米国におけるデータマーケティングの統計であり、マーケティングにおけるデータの市場が大きく成長していることを示している。

  • 米国のマーケティングデータ市場は、2019年に212億3000万ドルで、2021年には306億1000万ドルに拡大すると予想されています。
  • 世界的には、同期間に346億ドルから523億ドルに成長すると予測されています。
Source: https://www.statista.com/statistics/818881/usa-marketing-data-spend/

さらに、米国のマーケティング担当者の多くは、リーチしたい相手について知るためのデータ(デモグラフィック・データ)に資金を費やしていることが明らかになっています。アメリカでは多くの企業は消費者に関する3rdパーティーデータを買って自社データに追加することで見込み客などの情報をリッチなものにしていきます。

消費者のデータは様々な形で得ることはできますが、近年、GoogleやAppleがネットユーザーのプライバシー保護の為に様々な対策を打ち出してきています。

プライバシー規制によって、クッキー(人々のオンライン行動に関するデータを収集する方法)が廃止されつつある現在、企業は顧客に関するデータを収集する新しい方法を探しています。その解決策の一つが、ファーストパーティデータとゼロパーティデータを収集するカスタマーデータプラットフォーム(CDP)である。

マーケティング担当者は、人々が最近何をしたか(トランザクションデータ)、その人々が将来何をする可能性があるか(行動データ)についてのデータも求めている。その中、デモグラフィックデータやサイコグラフィックデータも得て、ユーザデータをリッチ化するのに試行錯誤しています。そんなニーズがマーケティング向けのデータ市場を押していると言えます。

マーケティングデータに関する最近の課題の1つは、プライバシー規制に関する懸念の高まりである。つまり、マーケティング担当者はデータを収集し、それを商業的な理由で使用することに注意しなければならないのです。

最も一般的なプライバシー規制は、データ使用に関する透明性を高めることで、マーケティングデータ戦略に影響を与える。さらに、データ収集に関する新たな社内基準の策定や収集の制限も、データ利用に影響を与える上位の要因として挙げられています。

私の経験からの持論ですが、こうしたマーケティングデータに投資する企業ニーズの背景に3つのキーポイントがあると思います。

多くの利益を失う機会損失を避けるため

デジタルな時代に活躍するマーケターの多くがデータドリブンに仕事をしてるとは限らない現状があると思います。

こんなデジタル化になった世の中なのに、もっと簡単に、スピーディーに、自動化、AIを活用したマーケティング施策を競業よりも早く先手を打ちたい企業のニーズの現れだとも感じています。

データが会社の資産になると知った多くの企業は、資産を扱う、資産をグローさせる勢いでデータに投資をする。投資に似た、機会損失を避ける為に行動をしている企業がこのデータ市場の伸びを支えているのではないでしょうか。

多くのブランドは消費者にとって必要とされるブランドになるだけではなく、意味のある関係を消費者と気づきたい

特に、あまり最適化されていないリマーケティング広告を見た時に、いつも感じている事は– なぜのこの広告の広告主は自分のデータを意味のある活用方法で、自分にとって最適化されたものをおすすめしてくれないのであろうか?と考えてしまいます。

企業がお客さん、消費者に対してデジタルな媒体で対話を臨もうとする上で、ちゃんとした、アクショナブルなデータを持つ事の大事さを多くの企業はわかっています。

こんなクリエイターエコノミーと言われている時代、企業やブランドにとってファンを作る事の裏には、このデータ市場のグロースを支える企業やブランドが消費者ともっとユーザー視点で対話を望む姿勢があると感じています。なので、マーケティング向けのデータ市場が伸びる背景があるのは、当たり前にも感じます。

データドリブンマーケティングを支える環境のニューノーマル

今の時代、Webから得るデータをもう得られない状態・過去に戻りたくないマーケターや業界ができてしまったのではないでしょうか。

例に、無料であるGoogle AnalyticsのUniversal Analyticsを廃止するとか、一昔前にトラッキングできていたデータが今は国よっては違法になるニュースは、消費者を保護する為に動いいるにも関わらず、多くのマーケターの声はポジティブではない。

現代のマーケターが慣れたデータ環境が大きく変わろうしています。そんなニューノーマルな環境に新しく参入したり、ビジネス課題に対応するデータを提供する企業が増えて、それを求めるマーケターがあるリアルな現状ではないでしょうか。

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コラム

Kris

ロサンゼルス在住。UNIVERSITY OF CALIFORNIA IRVINE卒業。RevOpsとマーケティングの専門家であり、企業の成長を支援してきた実績があります。 19年以上マーケティングとテクノロジーの分野で活躍し、企業のマーケティングとオペレーションの開発を支援してきました。 Krisは日本の起業のアドバイザーでもあり、マーケティングの若手プロフェッショナルのメンターでもある。