データ活用組織に企業が望む理想のカタチ

Hiroto Soshizaki
Hiroto Soshizaki

データの分析と、その結果をいかにうまく活用できるかの重要性は業界を問わず認識されています。インターネットの普及により、データの収集は以前よりも手軽に行えるようになりました。

一方で、データを最適に扱える人材が不足したままという問題があります。データを扱うための内部人材や企業としてのデータリテラシーが不足していることが、企業のデータ活用の大きな壁になっています。


蓄積データをリアルタイムに把握できる組織が理想

適切なデータ抽出のためには、Web解析やCRMなど、ツールごとに蓄積されたデータを集約し、瞬時に状況を把握することが必要です。また、問題・課題の早期発見のためにも、迅速な分析ができることが望まれます。

リアルタイムでデータを可視化することはビジネスの成功に不可欠ですが、レポートを作成する手間と時間のコストが悩ましい点です。

組織課題は、データリテラシーの高い人材の不足

日本におけるIT人材不足は深刻です。経済産業省の調査によれば、日本のIT人材は2030年には59万人以上が不足してしまうことが分かっています。

少子化問題を抱えている日本では、IT人材、情報系の人材が少なくなるだけではなく、若い世代の人材育成が重要な課題です。多くの会社では、この共通課題で人不足を感じているのではないでしょうか。

人材不足で陥る、データ蓄積や取り込み方の不透明さ

データ抽出を目的として新しいシステムを導入しても、どんなデータを取り込めるのかが不透明だったり、希望するデータの取り込み方が分からないという壁にぶつかるケースが多くみられます。

意外と多くの会社の人材は、既存のシステムやレガシーシステムに依存している期間が長く、新しいシステムやプロセスを導入してもなかなかその新しいビジョンにうまく移行できないことがあります。ツール導入以前に、その先のデータ一元化するメリットやビジョンを持つことが大切です。

また、そのツールを最大限に活用するためにどのようなスキルを持った人材が必要なのかを判断し、内部・外部から必要な人材をいかに集められるかがキーになります。

組織のデータ活用ビジョンを描き、外部人材活用でリテラシーの適材適所を

多くの企業の経営者は、データ活用ができない理由を人材のスキル不足やデータ抽出の方法が複雑すぎるところにあると考えているのでしょうが、実際は長期的なデータ戦略ビジョンやリーダシップが欠けていることが原因なのではないでしょうか。

新しいツールを活用するにあたって、導入した後の業務やモニタリングの習慣化を組織に浸透させるためのリーダシップは重要ですが、それ以前にそもそもツール本体に対しての深い理解がないケースが多いです。

どんどん便利になる機械やツールが出てきていますが、その使い方や操作法さえわかればあとは『お任せ』で欲しい情報が手に入るのかと言うと、そうではないのが現実です。

まず、どのような領域のデータが不足しているのかを分析し、適切なツールを適切なスコープで見る視点、またそれを分析できる人材を内部だけではなく外部からの人材を補充することも大切です。

データ活用

Hiroto Soshizaki Twitter

埼玉県出身。商社を経て、アクセンチュア株式会社入社。各種ITシステム導入のプロジェクトに従事。2018年に合同会社Submarineを設立。形のない「声」を媒介に、人と人とが想像力を働かせ、築く関係性の可能性を探求すべく、音声番組をプロデュース。