ECデータのマーケティング活用課題を突破する体制・仕組みづくり
情報通信システムの高度化やスマホの普及が進んだことで、ECサイトからの買い物は消費者にとって使いやすいものになっています。結果としてECサイトにはトランザクションに関わる詳細なデータが蓄積されることになりました。そのデータをデジタルマーケティングの広告のターゲティングなどに活用することで、購買者と同じ層にアプローチするなど購買パフォーマンスを効果的に向上させることが期待できます。直接的なメリットにつながることから、ECデータの活用に注目するEC事業者やマーケターが増えています。
ECデータとマーケティングデータを統合する目的
施策づくりに活かすための分析
ECデータを活用すると、顧客の特性が顕著に見えてきます。リピーター客のようなLTV(顧客生涯価値)の高い顧客や、最初の購買から2回目に繋がりやすい顧客の特徴がどのようなものなのかを可視化することができます。また、キャンペーンを実施した際には、売上への貢献度を定量的に振り返ることも可能です。そのデータを利用し、次の施策検討に活用することでより効果的なECイベントのプランニングにつながります。
デジタル広告の改善
顧客にアプローチする広告作りのためには、多くの顧客が過去に買った商品・サービスをベースとして、それらを購買した時の「嬉しかった気持ち」を思い起こさせるような仕掛けをしつつ単価の高いものやプロモーションしたいアイテムを紹介する形に整えるのがベストです。
ECデータを活用することで顧客が他にどのようなページを閲覧し、どのページに再訪するのかなどの行動データを分析することで顧客の特徴を掴めます。そのデータを元によりターゲットに届きやすい広告を作ったり、似た傾向を持つ新規ターゲットにアプローチするGoogle広告やフェースブック広告のLook-a-Likeキャンペーンを行ったりすることで高価的に利用できます。
より高度なデジマ運用のケイパビリティ確立
デジタルマーケティング運用をさらに積極的に活用していくには、ECデータの管理体制を整えることが必要です。次世代に対応したマーケティングツールを積極的に導入し、これまでできなかった最先端のデジマ運用の仕組みを作りましょう。
例えば、CRO・A/Bテストに、ECデータも取り組んだツール設定を導入するなど、外部データと組み合わせることで最も効果が出るWebページのパターンとそれに魅力を感じる顧客の特徴が分かります。他にもOptimizely, Oracle MaxymiserなどのCRO・パーソナライゼーションツールと組み合わせることによってさらに詳細なデータを入手することができます。
EC事業者の多くがデータを十分活用しきれていない現状
ECデータを活用できない理由・活用課題
ECデータの重要性は分かっていても、なかなか活用しきれていないケースは多いです。
購買履歴としてのECデータが取れていても、その顧客を分析するために必要な行動データとなるGoogle Analytics や広告ツールのデータがちゃんと実装されていないと顧客のプロファイリングまでは辿り着けません。両方が実装されていたとしても、ECデータと他のマーケティングデータの連携を技術面でサポートできる人材がいなければデータ活用は難しくなります。
また、データドリブンな視点からマーケティング運用をするための専門家が社内におらず、分析した結果を活かしきることができない場合も多いです。
EC事業者が一元管理したいデータの種類
トランザクション・購入顧客データ
EC事業者が管理するべき基本のデータはECプラットフォームから得られるデータです。購買履歴データ、購入してくれた顧客の情報など、ベースの情報が詰まっているのがECデータです。各プラットフォームには膨大な顧客データが溜まっていくので、それを整理できるような環境を整えることが大切です。
行動データ
顧客データだけ抱えていても、それを「使えるデータ」まで持っていくことはできません。もう一つ重要なデータは、顧客の行動データです。Google AnalyticsやGoogle Ads、 Facebook Ads、Yahoo JP Adsなどを使用し、訪問したページやサイトの訪問回数、広告のビュー数や広告をクリックしてページに飛んだ人数など、詳細なデータを確保することができます。
他にもMA(Marketing Automation)・ESP(Email Service Provider)を使用すればメールの開封数などを分析できます。それらの分析結果を見れば、顧客の取りやすい行動などが見えてくるため、より精度の高いプロファイリングを行うことができます。
適切な統合ツールと人材でECデータ活用を推進!
顧客データと行動データを統合させることで顧客の特徴がよりクリアに見えてくることから、適切なデータを統合させることはデータ活用にとても有益です。FivetranなどのETLツールを利用して、複数のデータソースを社内で一元管理することが必要です。
また、人材の確保も大切で、テクノロジーやデータ活用のプロフェッショナルを外注するだけではなく、社内の見えないルールやシステムまで理解している社内人材にリーダー役を割り当て、その会社に合ったやり方でデータ活用を進めていくやり方がおすすめです。社内で仕組みを作り、運用プロセスを定義し、運用は代理店を活用することで、社内人材のマーケティング分析と施策判断への工数を確保することができます。